要件定義のヒアリングは45分です。足りない分をどう埋めているか
要件定義と発注の実務|準備と、進め方 3本目 全8本
目 次
要件定義のヒアリングは、45分です。事前に資料をご用意いただく必要はありません。
聞く項目を減らしているわけではなく、普通に一通り伺って45分で終わります。
聞ききれなかった部分は、これまでの案件から補って一度形にし、1週間後のデモの場で答え合わせをします。
要件定義のヒアリング45分で、何を聞くのか
先に、当日何が起きるかを書いておきます。特別なことは聞きません。
- – 今回サイトを作る・作り直すきっかけ
- – いま困っている場面
- – サイトの目的(2行で結構です)
- – 見てほしい相手
- – 参考にしたいサイト
- – 今のサイトで残したいもの、増やしたいもの
- – 原稿の用意状況
- – 使っている業務システムの有無
- – 現在のドメイン・サーバー
- – 公開したい時期と、予算のおおよその幅
- – 社内の窓口と、最終的に決める方
ざっくばらんに伺います。準備してきていただく必要はありません。「分からない」「決まっていない」で構いません。 その場で言っていただければ、それが情報になります。
準備は要りません。ただし、いると密度が変わる方がいます
事前準備は不要ですが、ひとつだけ。
社内に「前のサイトのとき、やり取りをしていた方」がいらっしゃるなら、その方に同席していただくと、45分の密度がまったく違います。 どこまで揃えるかは制作会社に渡す情報は、どこまで揃えてから相談すべきかに書きました。
理由は、経緯をご存じだからです。
- – ドメインをどこで取ったか
- – サーバーの契約が誰の名義になっているか
- – 前の制作会社と、どういうやり取りがあったか
- – 過去に何を試して、何がうまくいかなかったか
上の3つは調べれば分かりますが、時間がかかります。そして最後のひとつは、社内の記憶にしか残っていません。 資料には残らないからです。
その方がいらっしゃらない場合も、まったく問題ありません。分かる範囲で伺い、調べ方はこちらでご案内します。
社内で意見をまとめておく必要は、ありません
「事前に各部署の要望を集約しておいたほうがいいですか」と聞かれることがあります。
まとめていただかなくて大丈夫です。
理由は、まとめる過程で情報が減りやすいからです。複数部署の要望を1枚にすると、たいてい当たりさわりのない言葉になります。「使いやすく」「見やすく」「会社の魅力が伝わるように」——このあたりに落ち着きます。
そして、当たりさわりのない要望からは、当たりさわりのないサイトしか出てきません。
集約していただくより、デモをご覧いただいたときに、それぞれの方が言うことのほうが、はるかに具体的です。「この写真は現場と違う」「この言い方は営業では使っていない」——そういう指摘は、事前の要望集めではまず出てきません。
社内の調整は、実物ができてからのほうが早く終わります。
要件定義のヒアリングが、なぜ45分で足りるのか
聞く項目を減らしているわけではありません。他社が聞くことは、だいたい伺います。
足りている理由は、聞ききれなかった部分を、これまでの案件から補っているからです。年間40本ほどのペースで作り続けていると、「この業種で、この規模で、この困りごとなら、だいたいこうなる」という蓄積ができます。
正直に書くと、褒められた方法ではないかもしれません。全部を聞き出してから作るのが本来の姿だと思います。
ただ、補って終わりにはしていません。1週間後のデモが、答え合わせの場になっています。外れていれば、そこで分かって、その場で直ります。
このあたりの仕組みは、別の記事に詳しく書いています。
私たちからお願いする時間は、これだけです
45分だけでは終わりません。全体で何をお願いするかを出しておきます。
| 場面 | |
|---|---|
| 初回ヒアリング | 45分 |
| デモを見ながらの打ち合わせ | 1回 |
| 途中の確認(原稿・写真など) | 数回 |
| 公開前の最終確認 | 1回 |
私たちからお願いするのは、これだけです。 資料をお作りいただく必要も、社内で要望をまとめていただく必要もありません。
そのうえで、社内でどれだけご検討されるかは、会社によって違います。慎重に何度も見る会社もあれば、その場で決める会社もあります。そこは私たちが決めることではありませんので、時間の合計はお出ししていません。
公開までは1.5〜2か月かかりますので、残りは私たちが動いている時間です。
そして、ご確認をお待ちしている間も、こちらは先に進めています。確認を待つ前提で進行を組んでいないので、お待たせしている時間がそのまま遅れにはなりません。
デモをご覧になった方から、こう言われたことがあります。
「あのヒアリングで、ここまでできるの?」
驚いていらっしゃる対象が、デモの出来ではなくご自身が話した量だというところが、私たちには印象に残っています。
ヒアリングで何を聞かれるのか、先に知っておきたい方へ
記入例つきの要件定義書テンプレートを配布しています。埋めていただく必要はありません。何を聞かれるのかの目次としてお使いください。
当日の質問を、先に見ておきたいという方もいらっしゃると思います。
要件定義書のテンプレートを、記入例つきで配布しています。全34項目のうち、書いていただきたいのは11項目です。残りは記入不要です。
埋めていただく必要はありません。 「こういうことを聞かれるのか」と分かるだけで、当日の話が速く進みます。目次として使っていただくのが、いちばんいい使い方だと思っています。
全体の日程は要件定義から公開まで、実際のスケジュールを出します、初めての業種の場合は「その業界の実績はありますか」と聞かれたときの、正直な答えに書いています。
向くケース・向かないケース
この進め方が合うケース
- – 資料を準備する時間が取れない
- – 何を聞かれるのか分からず、身構えている
- – 社内の調整に時間がかかりそう
- – 担当になったばかりで、経緯を把握していない
合わないケース
- – 社内の規程で、着手前に要件定義書の承認が必要
- – 複数社に同一条件で提示して、比較したい
この2つは、書類が先に要るケースです。その場合も、45分のヒアリングのあとこちらで下書きをお作りします。 お客さまだけで書き上げていただく必要はありません。
締め
ヒアリングは45分です。準備は要りません。分からないことは、分からないとおっしゃっていただければ大丈夫です。
社内で要望をまとめておく必要もありません。実物を見てから話すほうが、具体的なものが出てきます。
前からサイトを見ていた方がいらっしゃれば、ご同席いただけると助かります。いらっしゃらなければ、それでも構いません。
そのままの状態でご相談ください。
要件定義書は、書かなくて大丈夫です。