キューポイントのやり方

工務店さんとの打ち合わせで、私が聞かないこと

目 次

  1. 長いヒアリングシートは、なぜ長いのか
  2. だから、聞かないことを決めました
  3. 代わりに、必ず聞くこと
  4. 宿題を出さないために必要なもの
  5. どうやって増えたか
  6. それでも、推測は外れます
  7. まとめ

最初のお打ち合わせは、45分です。

短いと言われます。前に頼んだ会社では2時間かかった、A4で10枚のヒアリングシートを渡された、という話も聞きます。

45分で終わるのは、手を抜いているからではありません。聞かないことを、先に決めているからです。


長いヒアリングシートは、なぜ長いのか

先に、他社さんの悪口ではないことを書いておきます。

長いヒアリングシートを配る会社が、不親切なわけではありません。分からないから聞いているだけです。分からないものは、聞くしかない。むしろ誠実な対応です。

ただ、渡される側から見ると、こうなります。

こちらが分からないことを、そちらに埋めてもらっている。

そして埋めるのは、たいてい本業のあとの時間です。現場から戻って、見積を作って、そのあとにA4を10枚。そこで止まります。

私が見てきた限り、サイト制作が遅れる原因の多くはこれです。作る側が遅いのではなく、待っているんです。


だから、聞かないことを決めました

工務店さんとのお打ち合わせで、私が聞かないことです。

聞かないことなぜ
サイトの目的結局は来場と資料請求です。ほぼ例外がありません
どんなページが必要か施工事例、家づくりの流れ、スタッフ、会社概要。だいたい決まっています
誰が見るか30〜40代のご夫婦。土日。ほとんどスマートフォンです
競合はどこか同じ規模の地元の会社と、ハウスメーカーです
いまの課題施工事例は溜まっているのに、整理されていない。ほぼこれです
なぜ更新できていないか現場が忙しいからです。それ以外を聞いたことがありません

これらは、聞かなくても大きく外れません。 何十社かやってくると、そうなります。

だから聞きません。聞くと、45分が2時間になります。そして2時間かけて出てくる答えは、私がすでに知っていることです。


代わりに、必ず聞くこと

こちらは、会社ごとにまったく違います。

必ず聞くことなぜ
どんな家を作りたい会社なのか性能なのか、デザインなのか、価格なのか、素材なのか。ここが全部の土台です
どんな問い合わせが来ると、困るかいちばん答えが割れます。そして、いちばん効きます
同じ地域の他社と、実際に何が違うのか「丁寧です」ではなく、具体的に何が
どこまで建てに行くか商圏です。書き方が変わります
社長と現場の雰囲気写真とコピーの調子が、ここで決まります

45分の大半は、この5つに使います。

2つ目について、少し書かせてください。「どんな問い合わせが来ると困るか」は、聞くと少し戸惑われる質問です。たいていは、来てほしい人のほうを聞かれ慣れているので。

でも、これがいちばん効きます。来てほしい人を聞くと、どの会社も似た答えになるからです。「家づくりに真剣なご家族」と。

困る問い合わせのほうには、その会社の考え方がはっきり出ます。予算が合わない相談なのか、対応できない工法の相談なのか、遠すぎる場所なのか。 ここが分かると、サイトで何を先に書くべきかが決まります。

サイトは、集める道具であると同時に、来なくていい問い合わせを減らす道具でもあります。減らしたいものを聞かずに作ると、そこだけ設計が抜けます。


宿題を出さないために必要なもの

私は、お客さまに宿題を出しません。原稿も、写真の選定も、こちらでやります。

これを「親切ですね」と言っていただくことがあるのですが、少し違います。

宿題を出さないために必要なのは、優しさではありません。

こちらが推測できる量です。

推測できなければ、聞くしかない。聞くということは、相手の時間をもらうということです。

推測できる範囲が広がった分だけ、聞かなくてよくなりました。 それだけの話です。


どうやって増えたか

これまで、業界はいろいろでした。

この業界では「専門特化しろ」「業界を絞れ」とよく言われます。そのほうが効率がいいのは、そのとおりだと思います。

私のところは、そうなりませんでした。工務店も、福祉も、採用も、規制のある業種も。順番に来たものをやってきました。

そのおかげで、ひとつ分かったことがあります。業界ごとの型よりも、会社ごとの違いのほうが大きい、ということです。

同じ工務店でも、性能で選ばれている会社と、デザインで選ばれている会社では、書くことが変わります。逆に、業界が違っても「聞かなくていいこと」はよく似ています。

だから「工務店に強いです」と言うとき、それは戦略ではなく、やってきた順番の話をしています。


それでも、推測は外れます

ここが大事なところです。

聞かずに推測して進める以上、外れることがあります。 当然です。

だから、1週間後にデモをお見せします。 全ページ分、文章と写真が入った状態でお持ちします。

このデモが何なのかというと、私の推測の答え合わせです。

「45分でこう受け取りました。こういうことでしょうか」

違っていたら、そこで言っていただければいい。言葉で説明を受けて想像するより、見て違うと言うほうが、ずっと簡単です。

そして外れていたら、そこでもう一度うかがいます。 何がどう違うのかを聞いて、調整します。

なぜ45分の話だけで全ページ分が出せるのかは、なぜ1週間で全ページ分のデモが出せるのかに書きました。

つまり私は、聞くのをやめたわけではありません。聞く順番を変えただけです。先に見せて、外れたところだけ聞く。この順番なら、お客さまは何もないところから答えを作らずに済みます。


まとめ

  • 45分で終わるのは、聞かないことを決めているから
  • 聞かないでいられるのは、推測できる範囲を広げてきたから
  • 推測は外れるので、1週間後にデモで答え合わせをする
  • 外れていたら、そこでもう一度うかがって調整する

聞かないのではなく、聞く順番を変えた。それだけのことです。


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