ホームページ制作会社の選び方|3枚の見積書から体制を読む
制作会社の選び方|まず、全体像から 1本目 全2本
目 次
3社の見積書を並べると、金額より先に体制が分かります。項目の数が、関わる人数を表しているからです。
私たちは22年、年間40本のサイトを作ってきました。6名です。新規のご相談は、ほとんどが3社以上の相見積です。
この記事では、手元にある3枚から何が読めるかを書きます。金額の相場は扱いません。項目の立て方だけを見ます。
ホームページ制作会社の選び方で、最初に見るのはどこか
提案書ではなく、見積書の項目です。
提案書は、会社ごとに書き方が違います。ページ数も構成も揃っていません。同じ条件で並べることが、そもそもできません。
見積書は違います。項目の立て方に、その会社の作り方が出ます。何を工程として切り出し、何を切り出さなかったかが見えます。
金額の比較は、条件が揃ってから意味を持ちます。3枚の条件が揃っているかを、まず項目で確かめる順番になります。
見積書の項目の数は、制作会社の体制と関係があるのか
項目が多いほど、工程ごとに人が分かれている可能性があります。
| 私たちの見積書の項目 |
|---|
| ディレクション |
| デザイン |
| コーディング |
| コーディング(下層) |
| WordPress |
| 撮影 |
| 保守・運用(月額) |
7つです。ここに「企画費」「設計費」「原稿費」「サーバー設定費」「諸経費」が並ぶ見積書もあります。
項目が増える理由は、たいてい人が分かれていることです。工程ごとに担当が変わると、その引き継ぎも費用になります。
私たちは分業をやめました。単価が下がる中でディレクションだけが増えて、採算が合わなくなったからです。
一人が最初から最後まで担当する形にしました。その結果、切り出せる工程が減りました。
どちらが良いという話ではありません。項目の数を見れば、何人が関わるのかを聞く手がかりになります。
制作会社によって「コーディング(下層)」の扱いが違うのはなぜか
ページ数で変わる部分を、デザインとまとめて切り出しているからです。
私たちは下層ページのデザインを、1ページずつ作りません。先にテンプレートを決めて、コーディングと同時に進めます。だから「デザイン(下層)」という項目が立ちません。
ここは3枚を比べるときに効きます。「デザイン(下層)」と「コーディング(下層)」が別々に並んでいる場合です。下層を1ページずつ作っている可能性があります。
その場合、ページ数が増えたときに2つの項目が同時に増えます。
どちらが良いという話ではありません。1ページずつ作るほうが、作り込みはできます。ただ、費用と期間の増え方が変わります。
見積書には、増えても金額が動かない項目と、増えると動く項目があります。3枚を比べるときは、どの項目が後から増えるのかを確かめる形になります。
総額が同じでも、増える余地が違えば最終の金額は変わります。一式でまとまっている場合は、内訳を聞くところから始まります。
制作会社の見積書に「原稿・ライティング費」がないのは何を意味するのか
2種類あります。意味は正反対です。
| 項目がない理由 | その後どうなるか |
|---|---|
| 制作会社が巻き取る | お客さまの作業は発生しない |
| お客さまに書いていただく前提 | 原稿づくりの時間が必要になる |
同じ空欄です。見積書を見ただけでは、どちらか分かりません。
私たちの見積書にも原稿費の項目はありません。ディレクションに含めています。
取材でお聞きした話、いただいた既存資料、下書き。使うものは案件によって違います。
3枚を比べるとき、この一言が効きます。「原稿は誰が書きますか。それはどの項目に入っていますか」
以前は、原稿は先方支給が当たり前でした。週1回の定例も当たり前でした。私たちもそうしていました。
原稿を待って数か月止まった案件があります。前提を間違えたのは私たちの側です。
要件定義書についても同じことが起きます。書く側の負担をどこに置くかは、要件定義書を書かないまま相談していい理由で扱っています。
ホームページ制作会社の選び方で、完成物を見てから決められるのか
見せる会社もあります。
私たちは、初回のヒアリングを45分お願いしています。その1週間後に、全ページ分のデモをお出しします。文章と写真が入った状態で、無償です。
なぜそうしたかというと、言葉で説明しても伝わらなかったからです。同じ言葉を、こちらと相手が違う意味で受け取る。それが起きます。
デモを先に出す形にしてから、受注率は10%前後から20%前後になりました。
出てきたデモに対して「ここは違う」と言えます。それを聞いて調整します。詳しい流れは1週間でデモを出す進め方にあります。
制作会社のデモは、社内の誰が見ても判断できるのか
見れば分かるという点で、立場を選びません。
窓口になる方の立場は、案件によって違います。社長の方もいれば、広報や総務の方、現場の方もいます。決裁権のあるなしも違います。
要件定義書は、読める人を選びます。読み慣れていない方には、何が書いてあるか伝わりません。図と表と用語が並んだ資料は、社内で回すのも難しくなります。
デモは見れば分かります。社内で共有するときも、画面を見せるだけで済みます。
これは社内で上に上げるときに効きます。判断される方が普段ウェブに関わっていなくても、画面なら見た通りに伝わります。
社内の人数が多い会社ほど、この差は出ます。 比べ方については要件定義書の代わりにデモを見るでも書いています。
業界の実績は、制作会社の選び方でどこまで必要か
実績の有無より、聞き方で分かることがあります。
「うちの業界の実績はありますか」という質問は、よく出ます。答えが「あります」でも「ありません」でも、その先が大事です。
実績がある会社に聞くなら、その業界で何につまずいたかを聞く形になります。実績がない会社なら、業界の何を先に確かめるつもりかを聞きます。
どちらも、答えの具体性で分かります。詳しくは業界の実績を聞くときの質問にまとめました。
私たちは工務店、福祉・介護、化粧品や健康食品のLPを多く手がけています。法人向けに売っている会社のサイトも数多く見てきました。
要件定義書がないと、制作会社に相談できないのか
なくても相談できます。
3社に同じ条件で見積を出してもらうために、要件定義書を先に書こうとする方がいます。34項目あるうち、お客さまが書けるのは11項目前後です。
書けたら14項目。残りは私たちが引き受けます。項目の中身は要件定義書のテンプレートにあります。
書かないまま相談しても、条件は揃います。45分お聞きすれば、こちらで書けるからです。ヒアリング45分で何を聞くのかに、実際の質問を出しています。
公開までは1.5〜2か月です。要件定義書を書く時間を先に取ると、その分だけ後ろにずれます。
向くケース・向かないケース
向くケースは書けます。向かないケースは、仕組みでは書けません。
| 向くケース |
|---|
| 社内の複数の方に説明して回す必要がある |
| 判断される方が、普段ウェブに関わっていない |
| 原稿づくりに時間を取れない |
| 公開日が決まっている |
社内の合意形成に人数がかかる会社でも、このやり方は使えます。ただし時間はかかります。
デモをお出ししてから判断が戻るまで、こちらは待ちます。公開までの1.5〜2か月は、その分だけ後ろにずれます。
速さは出ません。かわりに、判断の材料は最初から社内に配れます。
向かないケースのほうは、22年やってきて条件が見つかりませんでした。規模でも業種でも、社内の決め方でもありません。
決まるのは相性です。担当するのは人で、窓口の方も人です。合うときと合わないときがあります。
合わないまま終わったこともあります。こちらの側の問題でもあります。
だから条件で判断していただくことができません。45分お話ししてみて、合うかどうかを双方で見る形になります。
制作会社の選び方として、3枚に何を聞くか
見積書に対して聞くのは、この4つです。
| 聞くこと | 分かること |
|---|---|
| 何人が関わりますか | 項目の数の理由 |
| 原稿は誰が書きますか | お客さま側の作業量 |
| 後から増える項目はどれですか | 最終金額の幅 |
| 完成物を先に見られますか | 判断の材料が出る時期 |
金額は、この4つが揃ってから比べる形になります。
私たちに聞いていただく場合も、この4つから始めていただければと思います。答えは上に全部書きました。