レッドオーシャンのSEO

160本書いて、一度やめました。もう一度やる理由を書きます

目 次

  1. 何をやって、なぜやめたのか
  2. やめた1年後に、順位はいちばん良くなりました
  3. そのあと、落ちました
  4. データを全部並べて、分かったこと
  5. ① 来ていた人は、発注を考えていない人でした
  6. ② 発注を考えている人の検索には、いませんでした
  7. レッドオーシャンで、何が起きていたのか
  8. では当時、どうすればよかったのか
  9. いま戻る理由
  10. 最初にやること
  11. 先に、線を引いておきます
  12. なぜ、これを公開するのか
  13. 次回

ホームページ制作は、競争の激しい市場です。「ホームページ制作」と検索すれば、上位は広告と大手で埋まっています。私たちのような6人の会社が、そこに正面から並ぶのは簡単ではありません。

私たちは2年で160本ほどの記事を書きました。そして一度やめました。

これからもう一度やります。何をするか、そして何が起きるかを、この場所に全部書いていきます。うまくいかなかったときも書きます。

第1回は、いまの数字と、やめた理由と、戻る理由です。


何をやって、なぜやめたのか

時期やったこと
2023〜2024年160本ほどの記事を公開
2025年〜2026年新しい記事はゼロ

2025年から書くのをやめたのは、手が回らなくなったからではありません。やめる判断をしました。

理由は単純です。営業紹介会社から案件をいただくほうが、確実で早かったからです。

記事を書けば人が来るかもしれない。でも来ないかもしれない。一方、紹介でいただく案件は、目の前に確実にあります。6人の会社が限られた時間をどちらに使うかと言われれば、後者になります。

この判断自体は、いまでも間違っていなかったと思っています。

私たちは営業が得意な会社ではありません。作ることに時間を使いたい会社です。その意味でも、噛み合っていました。


やめた1年後に、順位はいちばん良くなりました

ここが、あとから振り返っていちばん考えさせられた部分です。

書くのをやめた後、記事の順位は上がり続けました。

いちばん良かった時期2025年後半
月あたりのクリック約1,215
平均掲載順位10.3位

平均10位は、検索結果の1ページ目です。悪くない位置です。しかも何もしていない状態でそこまで行きました。

では、そのとき仕事は増えたのか。

2024年からいままでの約2年間で、ホームページ制作のご相談は5件ほどです。

月に1,000回以上クリックされていた時期を含めて、2年で5件です。案件は変わらず、紹介とリピートからいただいていました。

順位が上がっても、仕事は増えませんでした。 これは自分の会社で確かめたことなので、他に説明のしようがありません。


そのあと、落ちました

2026年2月、Googleの検索アルゴリズムが更新された時期に、順位が下がりました。平均10.3位だったものが、いまは35.4位です。

ペナルティではありません。Search Consoleに手動による対策の通知はなく、落ちた日の前後で私たちがサイトを触ってもいません。評価の基準が変わったときに、私たちのサイトが評価されない側に回った、ということです。

ただ、これはそれほど大きな出来事ではありませんでした。

すでに手を引いていた場所です。仕事につながっていない順位が下がっただけでした。


160本書いたあとの順位と、実際のご相談件数検索順位とアクセスは伸びたが、ホームページ制作のご相談は2年で5件だった数字は伸びていました160本公開した記事1,215月間クリック10.3位平均順位それでも、こちらは動きませんでしたホームページ制作のご相談2年で5件(同じ期間に届いた営業メールは3,000通以上)

データを全部並べて、分かったこと

順位が落ちたあと、16か月分の検索データを並べて見ました。落ちた話より、こちらのほうがずっと重い内容でした。

① 来ていた人は、発注を考えていない人でした

いちばんクリックを集めていたのは「ウェブサイトとは」のような、言葉の意味を調べている検索です。

読んでいただけたのはありがたいことです。ただ、その方が「ホームページを作りたい」と考えている確率は、かなり低いです。

② 発注を考えている人の検索には、いませんでした

反対側を数えました。「要件定義書 テンプレート」「ホームページ制作 依頼」のような、発注が近い人が打つ検索です。

143種類あって、合わせて約85,000回表示されていました。そこから来たクリックは、ほとんどありません。

私たちの本業に直結する「要件定義」まわりに絞ると、こうです。

16か月の表示回数約3,500回
クリック30
平均順位46.7位(5ページ目)

人はもう来ています。私たちが、そこにいなかっただけです。


レッドオーシャンで、何が起きていたのか

ここまでを一行にすると、こうなります。

160本書いて、順位は上がって、仕事は増えませんでした。

長いあいだ、これを「量が足りなかった」「更新が止まったから」と考えていました。どちらも違いました。

書いていた記事は、調べれば書ける内容でした。ホームページ制作の一般的な解説、費用の相場、進め方の手順。丁寧に書いたつもりですが、私たちでなくても書けるものでした。

競争の激しい市場では、これが決定的に効きます。

調べて書ける記事は、書いた分だけ埋もれます。

埋もれないのは、その会社の中にしかない話で書かれた記事だけです。

競争が少ない市場なら、丁寧に書けば残ります。競争の激しい市場では、同じ内容がすでに何百本もあります。そこに1本足しても、順位はともかく、選ばれる理由にはなりません。

そして選ばれる理由がない記事は、順位が上がっても仕事につながらない。実際そうなりました。


では当時、どうすればよかったのか

答えは分かっています。自分たちの中にしかない話を書けばよかったのです。

ただ、いま正直に書いておきたいことがあります。

2024年の時点では、書けるものがありませんでした。

進め方が固まっていませんでした。案件ごとにやり方が違い、担当によっても違いました。「うちのやり方」と呼べるものが、まだ存在していなかったのです。

存在していないものは、書けません。だから調べて書きました。だから埋もれました。

順番が逆だった、という話ではありません。順番が来ていなかった、という話です。


いま戻る理由

この2年で、社内の作り方が固まりました。書けるものができました。

たとえば、こういうことです。

  • 最初のお打ち合わせは45分です。何を聞いて、何を聞かないかが決まっています
  • その1週間後に、全ページ分のデモをお見せします。文章と写真が入った状態です
  • 一般的な要件定義書には34項目ほどありますが、そのうちお客さまに書いていただかない項目と、その代わりに私たちがどう埋めるかが決まっています
  • 分業をやめて、一気通貫にしました
  • 提案書から原稿、デザイン、コーディングまでAIを使っています。浮いた時間は、中身の精査に回しています

どれも、調べても出てきません。うちの中にしかない話です。

そして、このサイト自体も作り直しました。トップページのいちばん上のコピーは変えていません。変えたのは、そのすぐ下です。いまは「商談からテストサイトまで最短1週間」という一節を置いています。

2024年には、書けなかった一節です。 言えるようになったのは、言えるだけの中身ができたからです。

そして体制は、いまも毎月変わっています。つまり書ける材料は、これから増え続けます。

もう一度やるのは、暇になったからではありません。書けるものができたからです。


最初にやること

「要件定義」まわりで、27本を用意しました。すでに書き上がっています。

このテーマを選んだ理由は、さきほどの数字です。約3,500回表示されて、クリックが30。人はもう来ていて、私たちが答えていなかった場所です。

そして27本すべて、私たちが実際にやっていることしか書いていません。 調べて書ける内容は、意図的に外しました。今度は同じ失敗をしないためです。


先に、線を引いておきます

いちばん大事な部分です。うまくいったかどうかを後から都合よく判断できないように、いま基準を書いておきます。

見るもの現在3か月後にこうなっていたら成功
要件定義まわりの検索からのクリック30100〜200
同・平均順位46.7位30位台
「webサイト 要件定義 テンプレート」の順位20.1位1ページ目
ホームページ制作のご相談2年で5件ほど(月0.2件)3か月で2件以上

最後の行について、書いておかなければならないことがあります。

私たちは、問い合わせが記事から来ているかどうかを、きちんと数えていませんでした。 順位とアクセス数は見ていました。いちばん見なければならないものを、見ていませんでした。 お客さまにはご説明してきたことです。自社では、できていませんでした。

そして、数え方も決めました。

フォームの送信回数は数えません。

私たちのフォームには、毎日4〜5通のメールが届きます。ほとんどが売り込みです。 2年で3,000通を超えます。そのうち、ホームページ制作のご相談は5件ほどでした。

送信回数を数えても、何も分かりません。 数字が動いても、それは売り込みが増えたという意味かもしれないからです。

代わりに見るのは、届いたメールの中身です。ご相談なのか、売り込みなのか。この件数なら、読んだほうが早くて正確です。

そして、件数より知りたいことがあります。何と書かれていたかです。

「要件定義書を書かないといけないと思っていたのですが」——もしそう書かれていたら、それは27本が届いた証拠になります。件数からは、それが分かりません。

2024年にやっていたのは、量を見ることでした。今度は、中身を見ます。 記事の作り方を変えたのと、同じことです。

記録用の表は作りません。この連載が、その場所です。

何件届いたか、何と書かれていたか、順位はどうなったか。次の回に、ここに書きます。 別の場所に溜めておいて後から見せる形にすると、都合のいい数字だけを選べてしまうので。

そして、失敗の定義も書きます。

3か月後、クリックが100に届かなかったら、記事の作り方が間違っていたということです。

そのときは、何が違ったのかをこの場所に書きます。

ご相談の件数についても、先に書いておきます。もともと2年で5件という数です。3か月では、増えたのか偶然なのか判断できません。 それでも記録します。半年後、1年後に意味を持つからです。

数字を後から選び直さないために、先に置いておきます。


なぜ、これを公開するのか

私たちは数年前に、提案のやり方を変えました。提案書と見積もりをお持ちする形をやめて、先に全ページ分のデモをお作りして、それを見ていただく形にしました。

理由は、断りやすくするためです。

説明を聞いて完成形を想像するのは、お客さまの仕事ではないと思っています。見て、違うと思ったら断っていただける。そのほうが、お互いに間違いが少ない。結果として、受注率は10%前後から20%前後になりました。

この記録は、それと同じことをしています。

うちに頼むとどうなるかを、頼む前に見ていただく。 一度やめたことも、数えていなかったことも、含めてです。

書いた27本は要件定義と発注の実務にまとめてあります。

それから、もうひとつあります。競争の激しい市場にいるのは、私たちだけではありません。 工務店も、福祉施設も、採用で人を集めたい会社も、同じ場所にいます。

うまくいかなければ、そう書きます。


次回

27本を、まとめて公開します。反応が出たら、そのまま書きます。


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